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日本鋳金家協会創立百周年記念「日本の鋳金 ー いものの形」展’08

日時:2008 年 3 月 18 日(火)~30 日(日) 10 時~17 時 30 分
場所:埼玉県立近代美術館(一般展示室-1)

同時開催 特別企画 「日本鋳金家協会創立百周年記念展」
場所:埼玉県立近代美術館 一般展示室-4  社会と鋳金「いもののある風景・モニュメントと鋳金家」 埼玉ゆかりの鋳金家たち

関連企画  講演会
場所:埼玉県立近代美術館講堂
3 月 22 日(土)13 時、15 時
講師 橋本明夫(日本鋳金家協会委員長・東京藝術大学教授) 題目 いもののある風景-街と共生する形
講師 後藤信夫(日本鋳金家協会顧問・彫刻家・日本ウマ科学会会員)題目 鋳造モニュメント-日本の騎馬像

主催:日本鋳金家協会

ごあいさつ

我が国の鋳金工芸は飛鳥・天平以来、世界に卓越するものでありますが、時代時代の人間生活の変遷に伴いながらも、その大切な伝統は受けつがれ守られて来たと思います。技術的な面では科学の進歩にともない日進月歩の感を深くするものがありますが、私達がより大切だとする鋳金工芸の本質に変わりがあってはならないと思います。自らの汗の中から生まれるものを創る工人の精神と感性に変化があってはならないのです。常に流れる時の中で、永遠に変ることのない本質にこそ力を注ぐべきだと、常日頃から自らを励まし叱咤しながら私達はやってまいりました。日本鋳金家協会は創立百年の歴史を持ちますが、このような会としては驚くべき永い時間も、大きな時代の中では一瞬のことかもしれません。私達はこの会の古さを誇りにするのではなくて、この間の諸先生、諸先輩の教えと御苦労を思ふとき深い敬意と感謝の念を禁じ得ないのであります。 私達はこの会の歴史の中に存在し伝統を守らねばならない一員として、今日の生活に即した新しいものを創らなければならないことの責務を強く感じて居ります。 この様な意味から創立百周年記念「日本の鋳金—いものの形」展`08 を開催する運びになりました。大勢の皆様の御鑑賞と御批判を仰ぎ、同時に鋳金工芸の健全な発展の資にしたく考えて居ります。

平成 20 年 3 月 日本鋳金家協会会長 西 大由

 

一般展示室-1

本展では物故作家の方 3 名を含む展覧会出品者 65 名の作品総数 83 点が一同に並び、茶の湯釡や器物、ジュエリー、抽象や具象の造形が幅広い作風と表情をもって展示されました。

 

百周年特別企画展では、「鋳金家協会創立の先人たち」として明治から昭和にかけて活躍した鋳金家の作品 15 点(メタルアートミュージアム収蔵作品)と会場である埼玉県ゆかりの物故作家 4 名の作品 8 点を展示いたしました。 あわせて「社会と鋳金 いもののある風景 – モニュメントと鋳金家」と題したパネル 17 枚の展示と特別展図録の発行をおこないました。明治期から現在までの鋳造モニュメントを紹介する内容で、技術とともにその歴史的・社会的な意義についての考察を中心にまとめました。一般展示室-4

 

講演会

左:講師 橋本明夫(日本鋳金家協会委員長・東京藝術大学教授)  題目「いもののある風景-街と共生する形」

東京藝大鋳金研究室が行ったプロジェクト「品川駅港南二丁目アートワーク」の事例を紹介。東口商店街の再開発と屋外鋳物造形物(モニュメント、街路灯、車止め、方位プレートなど)のコンセプト提案から、原型制作・仕上げ工程などの様子をお話していただきました。

右:講師 後藤信夫(日本鋳金家協会顧問・彫刻家・日本ウマ科学会会員) 題目「鋳造モニュメント-日本の騎馬像」

古今東西の鋳造された騎馬像をテーマに、その歴史や社会背景を読み解く講演がなされました。